佐藤けんじ

佐藤けんじ 道南発、日本の未来。

佐藤けんじ
コラム
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No. 62 /2007/10/15
静かに聞こえる声

まるで期待されていないかのように扱われてきた福田新内閣への支持率は高い。選挙管理内閣でしかなく、早期解散という選挙ムードもまた次第に冷め、適切な時期を見極める当たり前感が増えつつある。聞くことが大切な時期である。
国民は総理大臣にまず、居てほしい。日本そのものを投げるかのような振舞いはしないでほしい。困難な対話でも継続しても諦めないでほしい。なんだかんだい言っても、投げ出すハズのないジミントーだと思ったからキツイお灸をすえた。まさか安倍さん。いじめすぎだったかな。
たとえ日本の将来像にバラ色の夢を描くことができなくて、ピンチヒッターであるという役割の本音をポソッと語ることでも、この危機を収束させる人を少しは大事にしなくちゃ。
荒行を連続させ、非情さも口にする強いリーダーの賛美したこともあったけど、今は修復させようという長老的知恵でも、ほっとさせてくれることは評価しなくちゃ。
「成長を実感に」失敗を勲章のように語れる若い復元力の唱導は、「ニートを仕事に」を強調する成長路線の動機付けだろう。しかし内需の地方波及は資産のころがしによるバブル再来の臭いすらただよう。ここで止まってしまうとしたら違うよ。長い辛抱はこういうことではないんだ。
会社も職場に生きる人たちの暮らし「場」というより、株主のものだと売り払ってしまう。乗っ取りと解体を手段とすることに墜ちた起業家がシンボルなのかな。次なる成長路線をこんな風に画いてしまうのはおかしいよ。
遠い遠い世界がトウキョウーのヒルズあたりで、塀の上を渡ることをしているんだな、と。単にこつこつがんばるだけではだめな世界なんだなと。普通の人がものをつくるがんばりよりも、工場をもたないものづくりなんだ。株式や資産を操り利益をだすディトレーダーなんかを増やそうとしているんだな、と。
規制緩和も審議会の方々が、自分達のビジネスチャンスを創り出していたんだ。そう、この道南で生きる自分たちは取り残されてしまった。特産品づくりや観光のイベント路線だけでは限界あるんだ。がんばる人は大消費地に出向いて行ってるよ。
従来からの自民党支持者でも「一回は民主党にやらせたら」、そう語る人たちは思ったより多いよ。自分もふり返ってみるけれど、こういう国のありかたを望んでいたのではないんだよな、と。

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