佐藤けんじ

佐藤けんじ 道南発、日本の未来。

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No. 64 /2008/1/1
一年かけても年金実務に取り組み続けよう

元旦は自分が一年をどう過ごすかを考えるときでも、実際、昨年一年に起きたことの中には、まったく予想しなかったことがあった。
年金記録不備、参議院の与野党逆転、安倍総理の辞任、食品表示の偽装事件である。
多くの謝罪会見は官と民を問わず、不誠実な実務を行っていたことに厳しい視線が注がれたのである。
今年も最大の関心事はずばり年金であるべき、昨年安倍総理を退陣に追い込んだ年金の記録不備は、3月まで記録漏れの手がかりがある方に「年金とくべつ便」が発送され、4月から6月には現在年金を受け取っておられる方に、そして10月までが現在支払っている方にとくべつ便が送られる。
つまり10月まで現政権が引き継いだ課題に納得できる答えをだすことが実質困難なのである。
3月までの約束は実務を知らない論外であるにせよ、「みなさんが納得できる答えをだすまで遣り通させてください」が現政権の負った使命であるはずだ。
この社会保険庁を中途半端に民営化してしまえばハッピーという、うやむな結論で、あとは知らないというやりかたこそ、国の執り行う実務への信頼を失った起点であるが、中途半端なやりかたでは信頼が回復されなくなってしまう。
本来はその次に控えている「新たな社会保障のあり方と医療の仕組み」こそ議論されるべき課題であるが、現状への不信は、日本型の皆保険・年金の基本構想造りを進められなくなってしまっている。
政争にしてはいけない国民共通課題のテーマをいじりすぎてている、地味な実務のチェックは国会のテレビ中継や報道をひきつける劇場型ではなくても、立法府の本来業務は行政府のチェックである。それが有効に機能するかが問われている。政争や選挙で蕩尽する時期だと私には思えない。

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